32:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:07:41.19 ID:TXxgAIfuO
できることは限られました。ならば、限られた中で力を尽くすしかありません。私は、食事や清掃の当番を含め、教会の活動における役割を可能な範囲で最大限に請け負いました。
雇用に身を置くことはできないにしても、できることには励もう。直接の貢献はできずとも、間接的に支えることはできました。こういった分担までもを、あるいはセイラムたちは考えていたのかもしれません。
共同生活において、私はセイラムと同室でした。
彼女はほとんど毎日のように、日が暮れてから仕事に出かけていくようになりました。
「夜の方がお給料良くってね。こっちのこと、ちょっとだけおろそかになっちゃうんだけど」
ひどく肩身の狭そうにそう言っていましたが、ほかのシスターたちも神父様も、もちろん私も、そんな彼女を責めることはしませんでした。私などはむしろ、教会を想うからこそ外で尽力する彼女を、誇りに思うことさえありました。
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