35:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:09:35.13 ID:TXxgAIfuO
###
教会近くのバラ園で、昨日に最後の一輪が落ちたと聞きました。夏の初めのことでした。
「セイラムっ!!」
その日、私は怒声に目を覚ましました。神父様の声は、いつよりも大きかったように思います。
壁掛けの時計を見上げると、まだ朝の四時を回ったところでした。濃やかな性格の神父様が、みなの起床を待たずして声を荒げるなど平時ならありえないことです。
明らかな異常でした。だというのに、半醒半睡の中に彷徨っていた私は、仕事から帰ってきたセイラムが冷蔵庫の中を漁りでもしたのだろうと、暢気にもそんなあたりをつけて、自ら覚えた喉の渇きを満たすためだけに食堂へと向かいました。
73Res/52.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20