29:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:05:56.71 ID:TXxgAIfuO
私が神父様に意思を伝えると、彼はきわめてかしこまったふうに、「あらためてよろしくお願いするよ」とおっしゃいました。ほかのシスターたちも、私の選択を喜んでくれました。
心新たに、人心のためにさらに努めよう。私はそのように考えるようになりました。
――とはいったものの、私の生活が劇的に変わることはありませんでした。
収入を増やす以外に現状を打開するすべはない。そうだとすれば、聖職のほかに副業を求めるのが自然な流れです。
神父様は冠婚葬祭の式典などに出向いて収入を補っておられましたが、教会の運営のためには彼の存在は必須で、あまり留守にすることは許されません。
比較的自由が利いたのは私を含むシスターたちでした。
私への秘密がなくなった以上、潜めて行動する必要もありません。セイラムたちはそれぞれ副業への出勤を隠すことなく教会に出入りするようになりました。私に知らせていなかっただけで、彼女たちは以前からパート・タイムで働いていたそうです。
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