【艦これ】一九四八年:あるいは爆雷でいっぱいの海
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14:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:19:27.35 ID:leW1YX1c0
響は当てもなくふらふらと歩きまわっていた。

気づけば人通りのない街の外れ。『国立特別療養所』と書かれた風化した看板の前。
キャリア
保菌者の確保は数えきれないほど行ってきたが、よく考えてみればその先に何が待っているかは正確に知らない。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:20:12.02 ID:leW1YX1c0
サナトリウム
療養所の中は、確かにある意味で緩やかな地獄だった。

誰もが生気なくぼんやりとそこかしこに佇み、どこか遠くの方で苦痛に呻く声が聞こえてくる。

以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:20:56.53 ID:leW1YX1c0
「潮……なのかい?」

幾分やつれてはいるが、かつての戦友、駆逐艦・潮に間違いなかった。

「覚えてるかな? 同じ部隊にいた響だよ。あの時――」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:21:38.37 ID:leW1YX1c0
「……」

「大丈夫ですよ。これはきっと、あたしが役に立つチャンスだと思うんです」

潮の目は確かに正気でありながら、続く言葉は狂気に踏み込んでいた。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:22:19.03 ID:leW1YX1c0
「……私は、潮が思うほど立派じゃないよ」

震える声で潮に告げる。

「今も死ぬための仕事から逃げてここにいる。私が覚悟を決めれば、皆は生き延びられると知りながら」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:22:54.42 ID:leW1YX1c0
                        タイミング
「誰かの役に立てるのが権利なら、その時機を決めるのもまた権利。あの時の響ちゃんは、誰かに強制されてあたしの思いを受け取ったんですか?」

「……それは、違う」

以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:23:26.30 ID:leW1YX1c0


"Or All the Seas with Depth Charges."




21:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:24:04.03 ID:leW1YX1c0
姉を沈めた空襲により自身も大きな損傷を受けながら、彼女は祖国へと辿り着いた。
チェック
診断結果は回復の見込みなし。予備艦として別命まで待機すること、と辞令が下る。

刻一刻と悪化する戦況をただ見ていることしかできない。
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:24:32.09 ID:leW1YX1c0
                      i
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以下略 AAS



23:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:25:20.30 ID:leW1YX1c0
『――即答しなかった時点で、君は拒否すると思っていたが』

「単に心の準備が必要だっただけさ、もう決めたよ」

『提督』はさも意外そうに言うが、口調は平坦なまま変わらない。
以下略 AAS



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