【艦これ】山城「告白と便意はそれとなく似ている」
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 17:44:02.60 ID:5XVV+lnp0
告白と便意はそれとなく似ている。そう気がついたのは私が提督を目の前にして、愛の告白をする寸前だった。
3秒前。私の中でめまぐるしく変化する恋心が、好きの方向に舵をとった時。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/08(日) 17:44:40.10 ID:5XVV+lnp0
2秒前。私は便意に気がついた。私のお腹の中に渦巻く恋心は便意とごちゃ混ぜになり、ぐるぐるとなめくじが身体中を這うような、不快な汗と感覚を生じさせた。
1秒前。私は、告白と便意はそれとなく似ていることに気がついて、走馬灯のように駆け巡る提督との思い出に花を咲かす。
4:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 17:45:14.76 ID:5XVV+lnp0
だからこそ、つまらない悩みから苦しくて仕方がない悩みまで気軽に相談できた。
それは場所を選んで。今思えばそれが問題だったのかもしれない。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/08(日) 17:46:14.52 ID:5XVV+lnp0
大抵あれこれ話すのは私で、提督は頷いて軽く反応する係。
たまに自分のちょっとした話を持ち込んで、私の意見に同意する。
6:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 17:46:40.54 ID:5XVV+lnp0
しかし私はめんどくさいことが嫌いだった。携帯でのやり取りは特にそうだから、いつも返信を後回しにしていた。極め付けには返信しないまま提督と会い、そのまま執務をこなしたりもしていた。謝りもせずに。そもそも悪いと思っていなかった。
では提督はというと、返信は秒で帰ってくるか、遅くても30分以内だった。それが返信を遅くする決定打だった。
7:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 17:47:41.17 ID:5XVV+lnp0
その日を境に、私は確認するように提督の行動を観察した。しかし結果は、どれもこれも当てはまり、私は困惑した。
もし提督が私のことを好きだったら。そうした場合、私はなんて答えるだろう。
8:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 17:48:24.25 ID:5XVV+lnp0
これは、艦娘の私、だからの問題なんかじゃない。私は、わからないものが嫌いだから。
時雨に聞いた。私はどうすればいいと。こう言った。自分の好きなようにしろと。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/08(日) 17:49:38.35 ID:5XVV+lnp0
午後24時の帰り道。その日の夜空は雲が散り散りとなり、雲が月を覆い隠すと同時に街は暗闇を帯びていた。
静まりかえった街中で、私と提督は子どものようにその暗闇を走り回った。
10:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 17:50:22.49 ID:5XVV+lnp0
この先に何があるのだろう。あるのは弱々しく光る街灯か、行き止まりか。
あったのは、もっと闇を濃くした得体の知れない空間だった。
11:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 17:51:29.61 ID:5XVV+lnp0
私の心の中で息づく提督が許せないからだ。嫌いだからじゃない。様々な想いと感情が入り混じるこの私だけの心が、一色だけになることが嫌だからだ。この心は私だけのもの。
だから仕事が早く切り上げることができた今日、このどろどろになった心を吐き出す。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/08(日) 17:52:16.93 ID:5XVV+lnp0
3秒前。私の恋心は好きに舵をとる。
2秒前。私は便意に気がついた。
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