48: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:04:25.48 ID:LgMjPCNT0
――目標。そうだ、私にもそれがあったハズだ。
今日この場所にやって来た理由が。
思ってもなかったことに気を取られて、歩みを止めてる時間なんて必要ない!
49: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:05:43.91 ID:LgMjPCNT0
そうして穴を掘っていると、いつの間にかエレナちゃんの姿は消えていた。
多分、砂浜だとリフティングだってやり辛いから、劇場の方まで戻ってしまったんだろう。
痺れた腕を振り上げて、額に流れる汗を拭い、潮風の中で一心不乱にシャベルを振るう。
50: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:07:08.71 ID:LgMjPCNT0
「紗代子!」
その時だ。私は名前を呼ばれて動きを止めた。
51: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:10:18.47 ID:LgMjPCNT0
「聞いたぞ、役作りなんだって? ……それにしちゃ、やってることが不自然だろう」
私は眼鏡を外して顔から汗を拭い取ると。
52: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:11:08.80 ID:LgMjPCNT0
するとエレナちゃんはプーっと頬を膨らませて。
「ならプロデューサーもやってみてヨー!」
53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:12:50.22 ID:LgMjPCNT0
【三幕 夢を追うなら#3】
まるで突然の出稽古をしているようだった。
自分たちが使う分のシャベルを取りに一旦戻ったプロデューサーは、
54: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:14:47.89 ID:LgMjPCNT0
だけど流石に、六人が一斉に穴を掘るだけのスペースは無い。
でも、劇中でも初めはそんな感じかもしれないとか、シャベルを動かすのはこんな動きなんだとか、
そういったことを一つずつ確認するお喋りをしながら作業は続き。
55: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:16:39.39 ID:LgMjPCNT0
その顔を普段よりもっと真っ赤に照らしたまま、
可憐ちゃんは自分のペースで続きを話す。
「……ほ、本番前に、頑張ろうねって声をかけてもらえると、
56: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:17:49.92 ID:LgMjPCNT0
「可憐ちゃん……」
思わず彼女の名前を呼んだ。
すると少女は照れ臭そうにはにかみながら。
57: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:19:02.28 ID:LgMjPCNT0
「……か、可憐」
「っはい!」
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