54: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:14:47.89 ID:LgMjPCNT0
だけど流石に、六人が一斉に穴を掘るだけのスペースは無い。
でも、劇中でも初めはそんな感じかもしれないとか、シャベルを動かすのはこんな動きなんだとか、
そういったことを一つずつ確認するお喋りをしながら作業は続き。
「そういや、これってどこまで掘りたいんだ?」
「とりあえず腰ぐらいまでの深さって聞きましたけど」
「このまま掘り続けたらブラジルにだって届くかナ?」
「おお! 夢は大きく、ですな〜」
「と、途中でマントルなんかがあるんじゃあ……」
賑やかに過ぎて行く時間は、一人きりで作業をしてたら絶対に味わえない経験で。
……わざわざ自分の時間を削ってまで、こんな思いつきに付き合ってくれてる
みんなにどうにか感謝を伝えたくて、私は作業中しきりに声をかけて回る。
「手伝ってくれてありがとう」「無理してない?」「疲れたら遠慮なく休んでくれていいよ」って。
すると、一緒に掘り出した土を固める作業をしてた可憐ちゃんが。
「紗代子さんは……。い、いつでもそうやって、私たちを気にかけてくれますよね」
言われて耳を疑った。
別に当然のことをしているつもりだった私は、
訊き返そうにも彼女が恥ずかしそうにもじもじしてるのを見て喉まで出かかった言葉を引っ込めた。
79Res/72.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20