57: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:19:02.28 ID:LgMjPCNT0
「……か、可憐」
「っはい!」
「可憐――」
「は、はい!」
「可憐……!」
「な、何だか気恥ずかしいですね……。改めて呼んで貰うのも……」
気づけば、「えへへ」と笑う可憐の前でポロポロと涙を流していた。
大粒の水滴がシャベルを伝う。異変に気付いた琴葉さんたちが心配そうに私のもとに集まってくる。
……大バカ者だ、私は。
少し考えれば気付けるようなことばかり幾つも幾つも見落として。
『お仕事』なんて薄い繋がりしかないのなら、どうして彼女たちが私に付き合ってくれるだろう?
一緒にこんなバカげた作業を見返りもなく手伝ってなんてくれるだろう?
「あ……ありが、とうは……。わたしの、台詞だよ……!」
言葉は酷くたどたどしく、でも、温かな歓迎をもって受け取ってもらえたように思う。
……少なくとも、この日を境にして私はみんなをメンバーではなく仲間と呼べるようになった。
そうして、やっと見つけたんだ。私の目指すべきゴールの形。
いつかに失ってしまっていた私が私でいられる場所を。
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