3:1[saga]
2018/06/28(木) 13:52:51.48 ID:6AUUn40c0
深海棲艦の出現から数年、海が近いこの街は、住民たちが少なくなり道路は閑散としていた。
街に唯一残っていた学校も来年には廃校になり、
4:1[saga]
2018/06/28(木) 13:53:28.05 ID:6AUUn40c0
この街の近くには海軍鎮守府がある。
今日も演習をしているのだろう、銃撃の音がパパパパ、と遠くから聞こえた。
「うんうん、銃の音だ。やっぱかっこいいよなあ」
5:1[saga]
2018/06/28(木) 13:54:18.14 ID:6AUUn40c0
「痛いわねえ、ちゃんと前を向いて走りなさいよっ」
少女だった。
6:1[saga]
2018/06/28(木) 13:55:15.06 ID:6AUUn40c0
「ねえ、ここら辺の学校の子?」
少年はふと思い、訊いた。
「え?あぁ、そうね…。まぁ、そんなところかしら。転校…してきたのよ」
7:1[saga]
2018/06/28(木) 13:55:43.91 ID:6AUUn40c0
「ここら辺の僕と同じ歳くらいの子は、みんな内地に行っちゃって。
今、この街に住んでる子供といったら、僕くらいなもんさ。
だから、君も僕と友達になっておいたほうがいいよ!」
8:1[saga]
2018/06/28(木) 13:56:10.43 ID:6AUUn40c0
「っと…ちょっと話しすぎちゃった。
もう行くわね」
少女は思い出したかのように、歩き出そうとした。
9:1[saga]
2018/06/28(木) 13:56:37.96 ID:6AUUn40c0
翌日も、少年と少女は海が見える公園で、
二人ベンチに座りながら、おしゃべりをした。
10:1[saga]
2018/06/28(木) 13:57:10.80 ID:6AUUn40c0
お姉さんは大丈夫だろうか。
少年はいてもたってもいられず、家から飛び出した。
11:1[saga]
2018/06/28(木) 13:57:39.69 ID:6AUUn40c0
「お姉さん、大丈夫だよね、そりゃそうか、家の中にいるよね」
走りつかれて、少年は海が見える公園のベンチで休んでいた。
気づけば警報も解除されたようだった。
12:1[saga]
2018/06/28(木) 13:58:30.24 ID:6AUUn40c0
どうやら、少女も少年とは気づかずに声をかけていたらしい。
「僕、お姉さんが心配だったから…」
少年はうつむきながら言った。
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