13:名無しNIPPER[sage]
2018/05/05(土) 07:41:29.73 ID:5oRT5R0SO
シンデルヤン
14: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:10:05.29 ID:sqRoe9hI0
02.
あたしはかなりの夜型なもんで、たいていの場合、かなりの深夜になってから床につく。
昨夜は特に、次の日(つまり今日)が久々のオフだと知っていたこともあって、なんの遠慮もなく夜更かしして、ベッドに潜り込んだころにはもう空が明るみ始めていた。
15: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:11:39.14 ID:sqRoe9hI0
ちひろさんからの依頼は、新人アイドルが寮に入るから案内してやってほしい、とのことだった。
平日のまっ昼間ということもあり、学生たちはみんな学校に行っている。そうでない人らは仕事やらレッスンやらに出ていて、ちょうど手の空いているのがあたしぐらいしかいなかったそうだ。
特に用事があるわけでもなかったので、あたしはそれを承諾した。
新人さんがどんな子かというのにも興味があったし、寮に入るのならなにかと顔を合わせる機会も多いだろう、他の誰よりも早く顔見知りになれるというのに、ちょっとした優越感を感じたりもする。
16: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:12:32.82 ID:sqRoe9hI0
ちひろさんとの通話を終え、あたしは手早くシャワーを浴びてから1階ロビーに降りた。
長椅子に寝そべり、共同スペースから持ってきた雑誌を眺めながらしばし待つ。ほどなくして、入り口の自動ドアの向こうにひと組の男女が連れ立って歩いてくるのが見えた。
少し後ろを歩いている少女が新人さんだろう。聞いた年齢よりはいくらか大人びて見える。
男のほうは、あまり話をしたことはないけど見覚えのあるプロデューサーだ。あの人が新人さんの担当になったのかな。……って、なんだあれ?
17: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:13:43.40 ID:sqRoe9hI0
ここが大浴場だけど各部屋にもユニットバスはついてるよ。こっちは共同スペースで何種類か定期購入されてる雑誌があるから勝手に読んでいいよ、読み終わったら戻しておいてね。エレベーターはあっちとそっち、このドアの向こうは非常階段、と適当に施設内を案内していく。
ほたるちゃんはきょろきょろと周りを見回しながら、慎重な足取りであたしについてきた。新しい環境への興味というふうではなく、なんとなく、警戒をしているように見えた。この子は殺し屋に命でも狙われているのだろうか?
「で、最後にここが食堂ね、朝昼晩にごはんが出るよ。時間逃したら食べられないから気を付けてねー」
18: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:15:12.92 ID:sqRoe9hI0
「……不幸が」
「はい」
「うつりますから」
19: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:16:57.68 ID:sqRoe9hI0
「どうぞ……気を付けてください」
鍵を開けたほたるちゃんが先に部屋の中に入る。
引っ越してきたばかりなので、中は当然がらんとしていた。間取りはあたしが住んでいる部屋と変わらない。家具と呼べるものは備え付けのベッドがひとつだけ、ほたるちゃんの荷物らしい開封されていないダンボール箱がいくつか、部屋の隅に積み重なっていた。
20: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:19:13.70 ID:sqRoe9hI0
「そういえば、プロデューサーが事故にあったってのは?」
「えっと……昨日、私が公園でスカウトを受けまして」
「うん」
21: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:20:22.74 ID:sqRoe9hI0
「私は……」
長い沈黙のあと、消え入りそうな声でほたるちゃんがつぶやいた。
「アイドルになりたいです」
22:名無しNIPPER[sage]
2018/05/05(土) 12:01:39.84 ID:WpU1h5/Ao
話は面白いんだけど、トリップの後ろの数字が全く意味をなしてないから今日はここまでとか書き込んでくれると嬉しい
23: ◆ikbHUwR.fw[sage]
2018/05/05(土) 12:45:18.68 ID:sqRoe9hI0
>>22
今後そのようにします。本日はここまでです。
202Res/248.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20