14: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:10:05.29 ID:sqRoe9hI0
02.
あたしはかなりの夜型なもんで、たいていの場合、かなりの深夜になってから床につく。
昨夜は特に、次の日(つまり今日)が久々のオフだと知っていたこともあって、なんの遠慮もなく夜更かしして、ベッドに潜り込んだころにはもう空が明るみ始めていた。
目覚ましアラームもなんもかけずにぐっすりと熟睡し、目を覚ましたころには当然、おてんとさまはすっかり高いところまで昇っていた。
あかん、このままでは昼食まで食べ逃してしまう、なんて思いながらも、寝起きのだるさに抗えず、布団にくるまってぐだぐだとしていた。そんなとき、
突如ガガガガガっと削岩機のような音が上がり、なにごとやねんと目を向けると、机の上にほっぽらかしていたスマートフォンが振動していた。
もう少し静かに鳴ってくれたなら無視してもよかったけど、これはちょっとあまりにもうるさい。あたしは断腸の思いで愛するおふとんに別れを告げ、元気のよすぎるスマホを手に取った。
画面を見ると、事務員の千川ちひろさんからの着信だった。はて珍しい、と思いながら通話ボタンを押して耳に当てる。
「はいはい、シューコちゃんですよ」
ついさっきまで寝ていたせいか、声は自分でもびっくりするぐらいガラガラで、恥ずかしくなってあわててげふんげふんと咳払いをした。
《まさか、こんな時間まで寝てたんですか?》
「いや、うん、いや?」
《まあ、オフですし構いませんけどね。手が空いているようなら、ちょっと周子ちゃんに頼みたいことがあったんですが……その様子だと空いてますね?》
こういう人の弱みにすかさず付け込むところは、是非とも見習いたいものだね。
「内容によるかな」
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