15: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/05(土) 11:11:39.14 ID:sqRoe9hI0
ちひろさんからの依頼は、新人アイドルが寮に入るから案内してやってほしい、とのことだった。
平日のまっ昼間ということもあり、学生たちはみんな学校に行っている。そうでない人らは仕事やらレッスンやらに出ていて、ちょうど手の空いているのがあたしぐらいしかいなかったそうだ。
特に用事があるわけでもなかったので、あたしはそれを承諾した。
新人さんがどんな子かというのにも興味があったし、寮に入るのならなにかと顔を合わせる機会も多いだろう、他の誰よりも早く顔見知りになれるというのに、ちょっとした優越感を感じたりもする。
新人さんは鳥取県出身の13歳、今日は手続きのために学校は休んだらしい。若いというよりは、まだ子供だね。寮に入るということは、親元を離れて暮らすことになるわけだ。
「13歳っていうと中学生か、さぞかし寂しがるだろうね」
《いえ、もともとこっちで生活していたみたいですよ》
それは、ひとり暮らししていたということだろうか。13歳が?
「……ワケアリな感じかな? 家庭事情にはあまり突っ込まない方がよさそう?」
《そういうわけではなく、先日まで他事務所に所属していたそうです》
「へえ、移籍なんだ。引き抜き?」
《……私もあまり詳しいことは》
「まあええよ。で、時間は?」
《今こちらで書類手続きをしてますので……そうですね、30分後ぐらいにロビーで待っててもらえますか?》
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