白菊ほたる『災いの子』
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129: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/10(日) 18:56:12.22 ID:AfpWDvGb0
 再びひとりきりになった控室で、私はふらふらと鏡の前に立った。
 辛気くさいと、暗いと言われ続けてきた真っ白い顔が、私を見返していた。
 なるほど、これは辛気くさいと言われても仕方ない。まるで死人のような顔色だった。

 鏡の中の自分が、これは全てお前のせいだと言っているように思えた。
以下略 AAS



130: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/10(日) 18:57:27.06 ID:AfpWDvGb0
 それからどのくらい時間が経ったろう。ドアが開かれ、通路の光が薄く差し込んだ。

「あらら大惨事。ほたるちゃん無事?」

 志希さんの声だった。ステージが終わったんだろう。
以下略 AAS



131: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/10(日) 18:59:27.81 ID:AfpWDvGb0
「……プロデューサーさん?」

 私の声は弱々しく、かすれていた。

「本当だよ」
以下略 AAS



132: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/10(日) 19:01:06.81 ID:AfpWDvGb0
 私はどうしたい?

 私が不幸じゃなかったら、私のせいじゃなかったら?

 うまく考えることができなかった。
以下略 AAS



133: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/10(日) 19:02:50.70 ID:AfpWDvGb0
 意思じゃなく、心がそう言った。
 自分でも気付いていない心だった。
 不幸のせいじゃなく、贖罪のためじゃなく、ただ私自身が、こんなにもステージに立ちたいと思っていたなんて。

 プロデューサーさんが大きくうなずく。
以下略 AAS



134: ◆ikbHUwR.fw[sage]
2018/06/10(日) 19:03:40.04 ID:AfpWDvGb0
(本日はここまでです)


135:名無しNIPPER[sage]
2018/06/10(日) 19:13:36.76 ID:WI4a1TbZo

プロデューサーの言ってることは本当なんだろうか


136:名無しNIPPER[sage]
2018/06/10(日) 21:45:03.84 ID:vuO0fTZj0
乙です
お話がグッと展開していく瞬間たまらない


137: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/28(木) 00:33:24.18 ID:sg2qAd8w0
   10.

 シンデレラとは成り上がりの物語だ。灰被りからお姫様に。地の底から天国の頂上に。

 シャルルペロー、もしくはグリム兄弟のものが有名だが、類似の物語は更に古代、紀元前から存在するともいわれている。
以下略 AAS



138: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/28(木) 00:35:23.21 ID:sg2qAd8w0
   *

 ある日、その筋では有名なゴシップ雑誌の記者が面会を申し込んできた。
 薄汚れたトレンチコートにハンチング帽といういでたちの男を来客用の部屋に招き入れ、向かい合って席に着く。
 形式的な名刺交換を済ませたあと、男が「お忙しい中、ありがとうございます」と言って、へつらうような笑みを浮かべた。
以下略 AAS



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