14:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:11:55.48 ID:A6rjc17z0
腰に手を当てて、うーん、と何か思案した後、トレーナーさんはポンッと手を叩きました。
「白菊さん、ちょっと体が硬いかも知れませんね。
お家でもできる柔軟体操、一緒にやってみましょうかっ。いきなりステップばかりだと疲れちゃいますし」
15:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:17:23.45 ID:A6rjc17z0
誰が叫んだのか、一瞬分かりませんでした。
それに意を介する暇もありませんでした。
16:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:19:08.06 ID:A6rjc17z0
帰り道、駅までの道を二人並んで歩きます。
最初、やはり彼女は遠慮していたのですが、私の困ったような顔を見て、従ってくれました。
要らない気を、遣わせてしまったようです。
17:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:21:01.68 ID:A6rjc17z0
「させてもらえなかったんです……レッスン」
三人組の若者が、向かいから集団で歩いてきます。
18:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:23:26.20 ID:A6rjc17z0
――――――。
――――。
19:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:27:17.93 ID:A6rjc17z0
初めてこの夢を見たのは、部活動をしていた、中学生くらいの頃。
あまりに怖くて、泣きながら夢の中で死にもの狂いで走り、汗びっしょりで飛び起きたのを覚えています。
20:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:31:44.68 ID:A6rjc17z0
「かしこまりました。取り急ぎ、PDFか何かでピロッと送っていただけましたら、後は私の方で段取り致しますので。
……えぇ、そうですね、原本は後で……いえ、こちらこそ恐れ入ります。よろしくお願いします、失礼致します」
受話器を置き、プロデューサーさんが隣に座る事務員さんに、雑談の続きをします。
21:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:35:23.27 ID:A6rjc17z0
「あっ……あ、ありがとうございます、すみません、三船さん」
彼女は、驚いた様子で私の顔を見て、ペコペコと頭を下げます。
私も手を振り、彼女の隣に腰掛けてみました。
22:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:37:51.29 ID:A6rjc17z0
二人でほとんど同時に声を上げ、顔を向けると、事務員さんが手際よくお盆にお菓子を乗せていました。
「キミは私達の仲間であり、運命共同体だ。仲間のお菓子くらい満足に食べられないでどうする」
「ネーサン、俺にも一個ちょうだい」
23:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:40:19.73 ID:A6rjc17z0
「……すごく、しっかりした事務員さんなんですね。プロデューサーみたい」
「私も最初、そう思いました」
そう言って、二人で忍ぶように笑い合います。
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