4: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:35:02.05 ID:amKha4Y/0
6位の席に座りながら圧倒的な隔たりを感じました。順位差以上にある力の差。その原動力となっているのは第一回シンデレラガール総選挙なのでしょう。彼女は一度、敗北しています。愛梨さんに次いでの2位でしたが、そこで満足できなかったのです。
でもまゆの1番は違うから。まゆの最優先は……。
右手の小指の赤い糸。深紅の絆はまゆから彼へと伸びています。
5: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:35:28.65 ID:amKha4Y/0
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まゆ「おめでとうございます蘭子ちゃん」
菜々「本当におめでとうございます! 蘭子ちゃん、握手してください!」
6: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:35:55.83 ID:amKha4Y/0
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CGプロの一室。Pさんとその担当アイドルの部屋を開け、2人で腰掛けました。
P「コーヒー入れてくる。飲むか?」
7: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:36:33.81 ID:amKha4Y/0
まゆ「それともう一つ」
こっちが本当の理由。まゆがアイドルをはじめた切っ掛けとなり、アイドルを続けた意味であり、アイドルを辞める決定打になったもの。
心臓が早鐘のように打ち、呼吸は乱れる。血が体内を駆け巡り、手に汗が滲む。目を閉じ、大きく息を吸い込み、長く吐き出す。大丈夫、緊張のほぐし方は今までに養ってきた。顔を上げ、Pさんに目を向ける。目を見て、はきはきと。
8: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:37:02.01 ID:amKha4Y/0
思ってもないことを言われたからか、まん丸に目を見開いたPさんは徐にカップを置き、まゆの目を見つめてきました。
P「……アイドルの恋愛が御法度だってのは知ってるよな?」
まゆ「だからこその決断です」
9: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:37:31.08 ID:amKha4Y/0
Pさんの意見はごもっともです。でもそういう言葉が聞きたいんじゃないんです。まゆはあなたがまゆをどう思っているか知りたいんです。
P「納得いってないって顔だな」
まゆ「わかってますよね?」
10: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:37:58.36 ID:amKha4Y/0
ゆっくりと瞼を上げたPさんは、私にこう告げました。
P「まゆ、お前は俺のために死ねるか?」
まゆ「…先ほど言ったことに嘘偽りはありません。まゆは、Pさんのためであれば何でもできます、何でもします。例え死ぬことだって…Pさんと一緒なら…」
11: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:38:25.12 ID:amKha4Y/0
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P「あ、千川。まゆは?」
ちひろ「一先ずは落ち着きを取り戻したと思います。明日はお休みですし、十分休養を取るよう伝えました。それと、明後日以降の仕事は出るとのことです」
12: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:38:56.86 ID:amKha4Y/0
半ば追いやるようにして部屋を出て貰う。どうしても一人になりたかった。でなければ千川に当たっていたかもしれない。まゆの世話をして貰って、叱って頂いたばかりなのに。
まゆの絶叫で忘れていた怒りがふつふつと思い出されてきた。それと同時に自分への怒りも湧いてきた。プロデューサーならあそこは怒るかもしれないが、怒ってはいけない場面だったと。それでも……。
P「ガラスの靴なんかって」
13: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:39:41.10 ID:amKha4Y/0
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P「……なんて?」
丸1日休んだ後だった。若干腫れの残る瞼を見れば、泣きはらしただろう類推はできるが、何をもってその結論に至ったのか、皆目見当もつかない。
14: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:40:08.99 ID:amKha4Y/0
ちひろ「和解、できたようですね」
P「わっ!? 千川っ!」
ちひろ「ごめんなさい。でもまゆちゃんに許可は貰いましたから」
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