P「まゆ、お前は俺のために死ねるか?」
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9: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:37:31.08 ID:amKha4Y/0
 Pさんの意見はごもっともです。でもそういう言葉が聞きたいんじゃないんです。まゆはあなたがまゆをどう思っているか知りたいんです。

P「納得いってないって顔だな」

まゆ「わかってますよね?」

P「これでも日頃から女の子の顔色は窺って生きているのでね」

 冷めたコーヒーをグイッと飲み干すと、言い放ちました。

P「俺はお前と結婚しようとは微塵も思わない。なぜならお前はアイドルだからこそ輝くだろうから」

まゆ「Pさん……お話聞いてましたか?」

 意味の無い押し問答に少しだけ、ほんの少しだけですがもどかしいと感じてしまいました。

P「俺はな、この業界が天職なんだよ。だからこそなのかアイドルを目にした時に才能が見える。お前はここで終わっていいアイドルじゃない」

まゆ「……」

 運命。私はこの人と結ばれる運命にあります。なのにどうしてこうも上手くいかないのでしょうか。仙台でアイドルを志願することは失敗だったのでしょうか。いや、恐らくアイドルになっていなければ今でも他人のままだったはずです。自分は、まゆは間違っていない。

P「まゆ、もう少しだけアイドルでいてくれないか? 絶対に後悔はさせない。今回でお前も気づいただろう?」

P「お前には才能がある。きっとシンデレラガールに……

まゆ「シンデレラガールになれればPさんはまゆと結婚してくれますか?」

P「あのなあ…」

まゆ「今欲しいのは名誉とかお金とか、ガラスの靴なんかじゃないんです。Pさんの心なんです!」

 Pさんはまゆをプロデュースし続けたいんですよね。それはわかります。でも、建前はもういいですよね? そろそろ本音を聞きたいです、Pさん。

まゆ「そのためだったらまゆは…何だってします。何だってできます」

P「……何でもする、何でもできる、か」

 目を閉じているのは言葉を反芻しているのか、はたまた答えを探しているのか。

 プロデューサーという立場からすれば難しいお話だとは思います。まゆと結婚すれば周りから批判されることは目に見えています。それにより、蘭子ちゃんや菜々ちゃんにあらぬ疑いを掛けられることもあるでしょう。

 それでも、きっと私たちは結ばれる。なぜなら……

 まゆには赤い糸が見えていますから。



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