23: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:50:03.40 ID:X17K8DuQ0
たどたどしいイントロのアルペジオに合わせて、忍の足が左右にステップを刻む。
うろ覚えの一発勝負だからリズムがいまいち掴めてない。
24: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:50:37.71 ID:X17K8DuQ0
天井をぴんと指す指先に、アコースティックギターの残響が重なって。
急ごしらえのセッションは静かに終わった。
25: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:51:41.59 ID:X17K8DuQ0
◇
26: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:52:30.25 ID:X17K8DuQ0
「それは……まぁ、その、うん……ごめんね」
自分の言葉のせいだと分かっているから、忍のしゅんとした顔は思った以上に良心に響いた。
27: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:53:32.62 ID:X17K8DuQ0
――――――
―――
28: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:54:04.44 ID:X17K8DuQ0
「んーとね、特訓の成果かな!」
「なんの?」
29: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:54:33.04 ID:X17K8DuQ0
「ね、ね。東京でも通用しそうな着こなしじゃない?」
かっちりと着込んだ制服に、オレンジのコートと薄い色のマフラー。
30: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:54:59.66 ID:X17K8DuQ0
――――――
―――
31: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:55:33.49 ID:X17K8DuQ0
少し行儀悪いけれど、コンビニの前でふたり、肉まんを頬張った。
ガラスから漏れる光は、いつのまにか夜闇を明るすぎるくらいに照らしていた。
緩んだ気持ちから、どちらともなく、ぽつぽつと話し始める。
32: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:56:09.22 ID:X17K8DuQ0
「東京に行ったら、おまけもいっぱいあるのかなぁ」
小さく細い呟きは、雪の静けさのせいではっきりと聞こえた。
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