215:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 09:58:41.69 ID:Uj/nf4tu0
「ほんの二日だけど、入院生活は退屈だったでしょ」
「何もしないことには慣れてますから」
216:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 09:59:08.38 ID:Uj/nf4tu0
単調な日々が始まった。
起きる。
217:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 09:59:41.02 ID:Uj/nf4tu0
寝ればいつも、夢を見る。
深い眠りも、浅い眠りも。
218:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:00:09.74 ID:Uj/nf4tu0
起きて外を歩けば、時折私に気付く人もいる。
侮蔑の視線。
219:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:01:00.19 ID:Uj/nf4tu0
日々は動き続ける。
しかし、前へは進まない。
220:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:06:23.58 ID:Uj/nf4tu0
その日も私は、いつものように病院へ向かった。
発作はもう、殆どなくなっていた。
221:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:06:49.46 ID:Uj/nf4tu0
「ん、千早か」
「こんにちは。お見舞いですか?」
222:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:07:16.67 ID:Uj/nf4tu0
入口のところには名前が書かれた表札があった。
女性の名前。
223:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:09:35.70 ID:Uj/nf4tu0
無機質な白い壁に囲まれ、締め切られた病室。
傍の棚に置かれた花瓶に挿されたオレンジ色のガーベラ。
224:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:10:23.02 ID:Uj/nf4tu0
覚えのあるシャンプーの香りが、私の鼻腔をくすぐった。
髪は肩よりも少し長い。
225:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:12:11.32 ID:Uj/nf4tu0
そう。
私は知っている。
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