84:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 01:09:11.00 ID:93Us6h4j0
ユウマ: PAI,質問がある
PAI: なんでしょうか
ユウマ: PAIは男仁さんが言ったような事態になる確率は,どれくらいだと思う?
85:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 01:36:16.54 ID:93Us6h4j0
中心部のコンクリートジャングルを外れて,郊外をえっちらおっちら歩いていると,人通りが減っていくのが分かった.
代わりに,雑木林を道路の両脇にちらほら見かけるようになる.
男仁さんが相変わらず周囲を見回しながら,言った.
86:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 02:06:24.42 ID:93Us6h4j0
男仁さんはそんな僕を見て,呟いた.
「不気味ですか?」
「いいえ.夜にこの通りは歩くのは遠慮したいですが」
87:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 02:22:57.93 ID:93Us6h4j0
さて,とうとう最初の目的地であう昇天斎場が現れた.
体育館程度の大きさのそれは.灰褐色のブロックを適当に積み上げたらできたような歪な造形だった.
上下左右に無理やり部屋を加えたような箇所があって,微妙に色が変わっているのが分かる.何度か増築しているのかもしれない.
88:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 02:39:57.66 ID:93Us6h4j0
扉の奥にいたのは,車いすに座った一人の少女だった.
一文字に揃えられた前髪の下で,薄い琥珀色の瞳が瞬く.
「こんにちは,おにさん」
89:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 02:45:09.88 ID:93Us6h4j0
少女は,小さく息を呑みこんでから,喉を震わせる.
「しつれいしました.わたしは,昇天斎場の納棺師を,つとめています.猿山鈴音と,もうします,
…どうか,この目のことは,お気になさらないでください」
90:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 02:55:08.29 ID:93Us6h4j0
自己紹介のあと,猿山さんはおぼつかない手つきで低い位置で,壁からつりさげられている紐付きカードを二つ手に取った.
「入館中は,この入館許可証を身に付けて下さい」
少女がおずおずと差し出したそれを,受け取る.
91:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 03:25:50.32 ID:93Us6h4j0
一面灰色の廊下では,天井に取り付けられたLED光は調整されており,厳かな雰囲気を保っているのが分かる.
そして,奥に進むにつれて,アルコール消毒液とお香が混ざった匂いが鼻孔をくすぐる.
前を進む,猿山さんは気にも留めていない様子だ.
92:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 03:37:01.77 ID:93Us6h4j0
ふと,男仁さんは思い出したようにその猿山さんへ,声を掛けた.
「鈴音さん,まず百地君を休ませてあげたいのですが,何か良い場所はありますか?」
鈴音さんは顔を持ち上げて,答える.
93:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 03:38:32.43 ID:93Us6h4j0
安価直下で男仁さんへの返答を1,2のどちらかを選んでください
1 「分かりました,休ませてもらいます」
2 「僕もその作業を手伝います」
94:名無しNIPPER[sage]
2018/03/18(日) 04:16:25.63 ID:HCgHMfN4o
2
147Res/81.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20