未来を置き去りにしてバイトをする
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91:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 03:25:50.32 ID:93Us6h4j0
一面灰色の廊下では,天井に取り付けられたLED光は調整されており,厳かな雰囲気を保っているのが分かる.

そして,奥に進むにつれて,アルコール消毒液とお香が混ざった匂いが鼻孔をくすぐる.

前を進む,猿山さんは気にも留めていない様子だ.

僕は,背後からそれとなく,猿山さんを観察する.

上下ともに黒色で,七分袖のワンピースにロングスカートである,申し訳程度にジャケットを羽織っているのは,冷房の効いたこの建物にいるからだろう.

服装に対比するように,手足は雪のように白くてか細い.そして朧げに宙を眺める瞳と,筆でさっと引いたような薄い唇はどこか現世離れした雰囲気を醸し出す.

そんな彼女も耳元には,一見イヤホンのような小型のPAIを取り付けている.恐らく,障碍者用の高価なものだ


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