未来を置き去りにしてバイトをする
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85:名無しNIPPER[saga]
2018/03/18(日) 01:36:16.54 ID:93Us6h4j0
中心部のコンクリートジャングルを外れて,郊外をえっちらおっちら歩いていると,人通りが減っていくのが分かった.

代わりに,雑木林を道路の両脇にちらほら見かけるようになる.

男仁さんが相変わらず周囲を見回しながら,言った.

「この辺りは,開発から取り残されているのです.駅も近くにありませんし,ショッピングモールもない.

土地に染みついた陰気な気配を人は敏感に感じ取ってしまうのでしょうね」

言われてみると,樹木の間に,雨泥にさらされ黒ずんだ墓がいくつも立っていた.

墓はいくつかのグループに別れているようで,綺麗な大理石で戒名が刻まれた集団から,吹けば飛びそうな集団まであった.

印象的なものとして,豪奢に装飾された白い十字架の集団を見かけた.

異国で,骨を埋める覚悟とはどんなものだろう.僕も,両親と同じ墓に入れられるのは御免だが,一人は少し,寂しくもある.





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