31:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:08:02.21 ID:PoruoH2d0
「…………あいつがあんなに落ち込んでるの、初めて見たな」
「かばんさんが、ですか?」
32:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:08:52.15 ID:PoruoH2d0
再びバスに乗ったぼくは、ひたすら道を走り続ける。
33:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:09:59.80 ID:PoruoH2d0
ばっと太陽の光が差し込み、それに伴って視界が開け、バスはなだらかな丘に差し掛かった。あちこちに咲いた草花と、遠くにそびえ立つ雄大な雪山の景色は、何の煩いも無い人間が見たとしら、息を飲んで見とれるに違いない。
……もっとも、今のぼくはその例外に当てはまるのだが。
34:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:11:26.47 ID:PoruoH2d0
「……ありがとう」
35:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:12:57.16 ID:PoruoH2d0
「……確かに、ラッキーさんの言う通りです。分かりました。ぼくがなんとかしてサーバルちゃんを元気にしてみせます」
「ヨロシクネ。ソレカラ」
36:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:13:41.96 ID:PoruoH2d0
「かばん殿、事情はビーバー殿から聞いているであります。私たちにも協力させてほしいのであります!」
「協力?」
37:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:14:48.74 ID:PoruoH2d0
(ここからサーバルちゃん視点)
38:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:15:45.76 ID:PoruoH2d0
「いくよ!」
39:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:16:22.39 ID:PoruoH2d0
やがて、持っている紙は全て飛んでいき、手もとに残る紙は一枚もなくなった。
40:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:20:06.24 ID:PoruoH2d0
夕食のジャパリまんを食べ終わった頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。かばんちゃんがマッチで点けたランタンの光だけが、今の私たちを照らす光になっていた。
かばんちゃんはふああと大きなあくびとして、それからぐっと手を上に伸ばす。
41:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:21:26.80 ID:PoruoH2d0
かばんちゃんが向かった先には――暗くてよく見えないけれど――大きな木が一本、真っ直ぐそびえ立っていた。バスからだいぶ離れた位置にあるこの木は、さばんなちほーに生えているものと同じか、あるいはそれ以上の大きさだ。
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