40:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:20:06.24 ID:PoruoH2d0
夕食のジャパリまんを食べ終わった頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。かばんちゃんがマッチで点けたランタンの光だけが、今の私たちを照らす光になっていた。
かばんちゃんはふああと大きなあくびとして、それからぐっと手を上に伸ばす。
「かばんちゃん、もう寝るの?」
「うん。そうしようかな……」
「じゃあ私も寝るよ!」
「サーバルちゃんは夜行性でしょ」
「大丈夫! 私も眠いから!」
咄嗟に出る言葉。もちろん嘘。
私がさっき寝ていたのをかばんちゃんも知っているから、騙せたかどうかも怪しい。
けど、かばんちゃんは「そっか」と言うだけで、特に私を疑ったりはしなかった。
「あれ? かばんちゃん、ボスは……?」
よく見ると、かばんちゃんの手首から、ボスがいつの間にかいなくなっていた。
「ラッキーさんなら、バスの中に置いてきたよ」
「えっ、どうして……」
「サーバルちゃん。ちょっといいかな」
私が言いきる前に、それを遮るようにかばんちゃんは口を開いた。
ランタンに照らされたかばんちゃんの顔は、普段と変わらない穏やかな表情のはずなのに、その視線は私の体を固まらせる。
「今日は外で寝ようか」
「外って……ビーバーたちと寝ないの?」
「いつもバスの中だし、たまには外で寝るのもいいでしょ?」
「で、でもっ……」
「心配しなくていいよ。この辺りにセルリアンはいないから」
「!!」どきっ
心臓が跳ね上がるような感覚だった。
かばんちゃんの言葉はまるで、私の心、考えていることさえも完全に見透かしているようで、少し怖い。不意打ちをくらった私は、何も言うことができなかった。
「ついて来て」
かばんちゃんは私を気にせずに歩きだす。少しして我に帰った私は、すぐさまかばんちゃんの後を追いかけた。
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