35:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:12:57.16 ID:PoruoH2d0
「……確かに、ラッキーさんの言う通りです。分かりました。ぼくがなんとかしてサーバルちゃんを元気にしてみせます」
「ヨロシクネ。ソレカラ」
ラッキーさんは一旦間を置いた。
「サーバルガ何ニ苦シンデイルノカ、チャント聞カナキャダメダヨ」
「……はい」
ぼくが返事をすると、二人の会話は終わり、辺りは再び静かになった。
そう、分かっていた。
サーバルちゃんが何かに怯えているということに。
それなのに、何度聞いても、サーバルちゃんは平気なふりをして答えようとしない。
『サーバルちゃんは、どうして――――』
バスの中で言おうと思って、途中で中断されたあの言葉。
『どうして、教えてくれないの?』
今思えば、とても残酷な言葉だ。
サーバルちゃんの言葉を信じていないということになるのだから。
それでも、サーバルちゃんが何かを隠しているのは、もはや否定する方が難しかった。
ぼくだって怖い。
サーバルちゃんでさえ怯えてしまうような何かに、果たしてぼくは立ち向かうことができるのか。
再び彼女の笑顔を取り戻すことができるのか。
それを考えると、ぼくはとても臆病な気持ちになってしまう。
けど、今はそんなことを考えてなんかいられない。
あんなにサーバルちゃんが苦しんでいるのに、何もしないなんてできるはずがない。
「かばん殿ー!」
「あ……プレーリーさん!」
「お久しぶりであります! 元気でありましたか?」
「ぼくは元気…………んむっ!?」
「ん……ぷはっ。プレーリー式の挨拶であります!」
「あ、ああ……そんなのありましたね……(いまだに慣れない……)」
「かばんさん! サーバルの様子はどうっスか?」
「ひとまずは落ち着いたと思います。まだ元気は無いですけど……」
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