250:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:43:30.25 ID:ZdvxIxQI0
「あのときね、ほんとはものすごく緊張してて、駄目だって思いながらお兄ちゃんのことを探しちゃって、
それで、たまたま目をとめたところにお兄ちゃんがいて、やばいはやく集中しないとって切り替えられたの」
「隣に零華と伯母さんが座ってたの気付いてた?」
251:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:44:25.76 ID:ZdvxIxQI0
それから少しの沈黙が流れる。
奈雨はまたしても何か考え事をしているようで、視線を足下に落としていた。
俺は黙って奈雨が話し始めるのを待った。
252:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:45:14.26 ID:ZdvxIxQI0
「……いや、かわいいなー愛してるぜーって」
と、一見なんでもないような返答に、
253:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:46:10.74 ID:ZdvxIxQI0
ついこの間、同じようなことを訊かれて戸惑った気がした。
その時はたしか、"好き"の種類についての話だったと思うけど。
そういえば、"好き"と"愛してる"ってどう違うんだろうか。
254:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:46:50.55 ID:ZdvxIxQI0
……ああ、いやでも零華は"一回一回が本気"みたいなことを言っていた。
そうしないと伝わらないかもしれない、とも。……って、いまそんなことはあまり関係ない。
お花畑って的を射すぎているな、と苦笑いすらも出ないほどに納得してしまう。
255:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:47:30.98 ID:ZdvxIxQI0
俺は何と言えばいいのだろう。
ため息が出そうになる。のを抑える。
その様子を見たのか見てないのか、奈雨はわざとらしくため息をついて、
256:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:48:09.91 ID:ZdvxIxQI0
「……あの、いや、まって」
「……」
257:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:48:57.08 ID:ZdvxIxQI0
「あのさ、奈雨」
と、俺は彼女の名前を呼んだ。
258:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:50:03.34 ID:ZdvxIxQI0
「……"も"でしょ」
沈黙とも呼べないような沈黙の後、奈雨はそんなことを言った。
どこかむっとしたような声音で、けれど、殊更に嬉しそうな表情で、
259:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:50:46.29 ID:ZdvxIxQI0
「奈雨のこと、好きだよ」
「……あ、う……わ、わたしも好き!」
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