251:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:44:25.76 ID:ZdvxIxQI0
それから少しの沈黙が流れる。
奈雨はまたしても何か考え事をしているようで、視線を足下に落としていた。
俺は黙って奈雨が話し始めるのを待った。
訊いてほしがっているようにも見えた。言いたいことも何となく想像がつく。
「れーちゃんとお兄ちゃんって、すごく仲良いよね」
「ああ……いや、どうだろうな。別に仲が良いわけではないと思う」
これも違う、というのが顔に出ている。
「二人でいるときどんな話してるの?」
「たいした話はしてない」
「そういうことじゃなくて、話題、とか」
歩調を緩めて目を向けると、彼女はばつが悪そうに視線を泳がせた。
「ほぼ奈雨のこと。それ以外はほとんどしてない」
「そ、そうなんだ」
「まあな。共通の話題って言ったら奈雨のことくらいだし」
「陰口かなにか?」
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