198:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:44:49.29 ID:CaJ2VfCb0
「……どうして」
「ねえ……ここから落ちたら、気持ちよくなれるのかな。つらくなくなるのかな。アタシには、それが全然わかんないよ」
199:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:46:22.56 ID:CaJ2VfCb0
翌日の夕暮れ、「わたし」が庭に向かうと、エリはもう既に井戸の縁に座っていた。
いつもなら手にしているはずの本も何も持っていなく、「わたし」の姿を捉えた時にやっと表情に温度が戻った。
「ねえ、落ちても死ななかったらどうしよっか?」
200:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:47:23.33 ID:CaJ2VfCb0
「……」
「いろいろつらいことがあったから忘れているんだと思う。『本当につらかったら──』って、あの人はあなたに言ってたはずだよ」
201:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:47:55.31 ID:CaJ2VfCb0
「アタシに、名前を付けてくれないかな」
「……え?」
202:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:49:07.54 ID:CaJ2VfCb0
【文化祭 1ー7】
外に出て話をしていると、伯母さんはすぐに「明日も来るからね」と帰っていった。
203:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:49:39.64 ID:CaJ2VfCb0
かと思いきや数秒後には不満げに口をとがらせて、
「そんなことはどうでもいいんですよ」
204:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:50:20.25 ID:CaJ2VfCb0
役柄も、そうだし、演技の方もモノローグではなく会話をするシーンでは、相手の演劇部の子に助けられてる感じはよく見受けられたけれど、
それが逆に「わたし」っぽいなあ……と、二人の女の子の関係について、台詞、言い方、間の取り方全てがしっくりきた。
評価は身内の贔屓目もあるかもしれないが、そこら辺はきりがないから、
205:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:50:56.48 ID:CaJ2VfCb0
やれやれとばかりに零華は両の手のひらを上向ける。
視線を前に向け、それから何かを思いついたのか「んー」と軽く唸って、
「なんていうか、先輩って付き合っても波がなさそうなところはいいですよね」
206:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:51:40.35 ID:CaJ2VfCb0
「そして機が熟したらあわよくばわたしも間に入って、ふふっ」
「それはマジでやめて」
207:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:52:14.67 ID:CaJ2VfCb0
「なんていうか、先輩ってやっぱり……」
「……」
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