200:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:47:23.33 ID:CaJ2VfCb0
「……」
「いろいろつらいことがあったから忘れているんだと思う。『本当につらかったら──』って、あの人はあなたに言ってたはずだよ」
「……」
「そっか。思い出せないか。…………でも、それでも大丈夫」
その答えは今もここにあるから、とエリは「わたし」の手を胸元に押し当てる。
「……じゃあ、アタシが先導するから、あなたはそれに付いてきて」
言葉の通りにエリは背中を下へと滑らせていく。
「……エリさん」
「……どうしたの?」
「……また、会えますか」
「そうだなあ……」
くすりと悪戯っぽくエリは笑う。
「うん、会える。……でもその時は、一つだけお願いしたいことがあるんだけどさ」
「……何ですか」と「わたし」は目元を擦りながら今にも泣き出しそうな声で訊ねる。
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