29: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 23:57:11.69 ID:eKF+OPoOo
「あの子、恵美の知り合いだったのか?」
「ううん。今日初めて会ったトモダチだよ? 控え室の雑談で知り合ってさ〜。
アタシがプロデューサーたちを待ってたから、この後初遊びってことで一緒にファミレス行く予定なワケ」
30: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 23:59:17.62 ID:eKF+OPoOo
そう言って、自信なさげな表情で恵美を見つめる田中さん。
それは彼女の面接時、俺が一瞬だけ見ることのできた不安げな表情とピッタリ一致して――
この瞬間、俺はうっかり見過ごしていた大きな違和感を思い出したんだ。律子の言ってた言葉が蘇る。
31: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/09(金) 00:00:40.56 ID:Ui02l9zqo
だがこの時、今までジッと黙っていた最上静香が立ち上がった。
「あの、お喋りするだけなら先に私の用事を済ませてもらってもいいですか? 私には時間がないんです」
32: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/09(金) 00:01:50.43 ID:Ui02l9zqo
「うん、だから、さ。期限付きでのアイドル活動を提案したのが俺なんだよ。……ほら、この前は君に酷い迷惑をかけたから」
「なっ、なにを勝手なことをしてるんです!? それじゃあ、父が私の説得を素直に受け入れたのは――!!」
33: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/09(金) 00:03:20.77 ID:Ui02l9zqo
「……でさ、琴葉は?」
尋ねた恵美の目が言ってる、「この琴葉だもん。当然受かってるよね? ね?」と。
34: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/09(金) 00:04:10.17 ID:Ui02l9zqo
「だから、面接も練習して。……予習だって、質問されそうなことについての回答だって、用意して……私、私は――」
だが、漏れ聞こえて来る呟きは彼女自身の姿じゃない。
あくまでもそれは"優等生"。面接者の役を被ってる別人で。
35: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/09(金) 00:07:08.34 ID:Ui02l9zqo
===
私は、小さな頃から劇が好きで、
母に頼んでは色々な劇場に連れて行ってもらいました。
36: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/09(金) 00:09:01.28 ID:Ui02l9zqo
===
「だから私は、自分の意志でここにいます。私自身が
そんな舞台の上に立ちたいから――アイドルになりたいから、ここにいます!」
37: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/09(金) 00:10:13.50 ID:Ui02l9zqo
===
以上おしまい。琴葉の困り眉と前髪の動きが超カワイイ。
ミリシタのコミュはこんな感情のまま書きなぐったSSより
よっぽど素晴らしいコミュとなっているのです。
38:名無しNIPPER[sage]
2018/02/09(金) 01:11:30.19 ID:9ad5xbkl0
いや、すげえ完成度ですわ。
気付いたら夢中で読んでたよ。おつ
39: ◆NdBxVzEDf6[sage]
2018/02/09(金) 09:42:32.49 ID:lO9royKD0
うん、この話も素晴らしかった
乙です
>>1
秋月律子(19) Vi/Fa
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