29: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 23:57:11.69 ID:eKF+OPoOo
「あの子、恵美の知り合いだったのか?」
「ううん。今日初めて会ったトモダチだよ? 控え室の雑談で知り合ってさ〜。
アタシがプロデューサーたちを待ってたから、この後初遊びってことで一緒にファミレス行く予定なワケ」
「じゃあまったくの初対面じゃないか! ……それにしちゃ、なんだか随分馴染んでるな」
そう、実はそうなのだ。千早が矢吹さんの相手をしていたその影で、
恵美たち二人も仲良くなにかを話しているのは見えていた。
俺は彼女たちの距離感の近いやり取りに、二人はもともと
知り合いだったんじゃないかと考えたってワケなんだが……。
「すみません。あの、私がいるとお邪魔でしたか?」
訊いて来る田中さんの表情は、面接の時とそれほど変わらない。
「いや、そういうワケじゃないんだよ。二人とも随分仲良しに見えたから、
俺はてっきり知り合い同士だったのかと……」
すると田中さんは恥ずかしそうに顔を伏せて。
「あっ……じ、実は、恵……彼女には、控え室で待ってる間に色々と質問させてもらってたんです」
「質問を?」
ああ……そういえば恵美には、そんなことにも答えてあげてくれと頼んで行かせた覚えがある。
「はい。765プロの雰囲気だとか、実際に入るとどんなお仕事から始めるのか……なんてことを」
「そうそう聞いてよプロデューサー。琴葉ってね、スッゴク勉強熱心なの。
何でもアタシに聞いて来て、おまけにアタシの話もなんでも真剣に聞いてくれて――」
「だ、だって、本番にはなるべく準備を完璧にしてから挑みたいから。でないと……不安にならない?」
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