28: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 23:55:45.31 ID:eKF+OPoOo
「私、765プロの皆さんが大好きで! 今回のオーディションもソレで応募して!
中でも千早さんと春香ちゃ……さんが好きだってことを恵美さんに話したら――」
「アタシがね、ちょびっと待つことになるけどさ、
千早ならサインぐらいオッケーしてくれるよって言ったの。可奈にっ♪」
「ああそれで。……もちろんいいわよ」
「ホントですかっ!!?」
「ええ、ファンは大事にしないと」
可奈と恵美から経緯を聞いた千早はすぐに快く微笑むと、俺に向かって
「ですよね、プロデューサー?」とからかうように訊いて来た。
一昔前の尖っていた千早からは想像もできない姿だが、
彼女の成長を感じられるのはプロデューサーとしても感慨深いものがある。
「え、えへへ。色紙が無いから、キーホルダーになっちゃうんですけど」
「ならマジックも借りて来なくちゃ。……プロデューサー。私、矢吹さんを連れて――」
「ああ、行って来たらいいさ」
許可を出すと、大喜びする矢吹さんに恵美と田中さんが
「やったね可奈!」「良かったね、可奈ちゃん」とそれぞれ笑顔で声をかけた。
どちらも素敵なスマイルだ。これをステージの上で見せられて、
魅了されない人間が果たしてこの世にいるだろうか?
……なんてことをついつい考えてしまうほどの。
「あの……サインの話が終わったなら――」
「あっ、悪いけど最上さんは少し待っててね。ちょっと恵美に訊きたいことがあるんだ」
「へっ? アタシにって……なに?」
自分の用事を切り出そうとした最上静香を遮って、俺は恵美を傍へと呼びつけた。
理由はもちろん、ここに例の田中琴葉がいるワケを知りたかったからだ。
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