143:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:19:29.62 ID:GJMDUn0X0
「本当はぎりぎりまでサプライズにしたかったんだけどな。
俺と輝子とトレーナーさんからのプレゼントだ。
今日のライブで着てもらおうと思って。サイズは合っているはずだ」
144:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:20:17.82 ID:GJMDUn0X0
「ありがとうございます」
私はステージ端へと移動を開始しました。
ステージへと一歩近づくたびに大きくなる声、熱気、強くなる鼓動、重くなるピアス。
145:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:21:49.78 ID:GJMDUn0X0
私はプロデューサーさんに背中を押されて、ステージへと上がりました。
歓声が上がりました。「森久保―!」と叫ぶお客さんの声が聞こえてきました。
赤、青、黄色、たくさんのサイリウムが目の前で振られていて、みんなが私を見ています。
146:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:23:11.07 ID:GJMDUn0X0
イントロが終わり、客席に目を向けると、
そこにはキノコさんにトレーナーさん、プロデューサーさんの姿がありました。
三人とも私を心配そうに見つめています。
147:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:24:20.77 ID:GJMDUn0X0
メロディが終わり、曲はサビへと入っていきました。
最後の鬼門。二回目のウィンク。
148:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:26:01.72 ID:GJMDUn0X0
彼らは笑っていました。
私を応援しているようでした。
よく見ると、ライブで倒れた時に見た、お客さんの顔がちらほらと混ざっていて、
149:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:27:16.21 ID:GJMDUn0X0
「ライブ成功の思い出に何かプレゼントを」
とプロデューサーさんが言うので、私たちはショッピングモールへと向かいました。
アクセサリー店に入り、深緑色のピアスを見つけ、これがいいとプロデューサーさんに渡しました。
150:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:28:18.14 ID:GJMDUn0X0
駐車場へと向かう途中何人かの人々とすれ違いました。
その人たちは私を見ている気がしました。
水色のピアスを見ている気がしました。私とプロデューサーさんを見ている気がしました。
151:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:29:35.42 ID:GJMDUn0X0
車に戻り、丁寧に施された包装を解き、ピアスを取り出しました。
そのピアスは見れば見るほど、ドレスの色に似ていました。
「プロデューサーさん、このピアスを私につけてくれませんか」
152:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:31:19.25 ID:GJMDUn0X0
暗闇の中で私は手を伸ばしました。
ゆっくりと慎重に伸ばした手は、プロデューサーの身体へと当たりました。
固い身体でした。温かい感触でした。
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