58: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:51:58.58 ID:Qezuh/qr0
―― 12月15日 午後5時 地上/熊本市街
寒いし、もう薄暗い。
59: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:52:35.30 ID:Qezuh/qr0
トゥルルルルル…
P「お、きたきた」
60: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:53:14.43 ID:Qezuh/qr0
ごうっと音がして、アイドルが上空の寒気を連れてきた。
降り立ったのは謎の獣、そしてその手綱を握る長い銀髪の少女だ。
「皆さん、こんばんわ〜。いいお天気ですね〜」
61: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:54:10.43 ID:Qezuh/qr0
「――それにしても楓さん、すみません。イヴもごめんな。こんな急に、熊本まで……」
「いいんですよぉ。私達の本業はもうちょっと先のことですから! ねっ、ブリッツェン〜!」
「ブモッ!」
62: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:54:43.57 ID:Qezuh/qr0
「さてっ」
指先をぺろりと舐めて、イヴは風向きを測る
山積みのプレゼントを載せるソリも、流石に五人も乗ると少し狭かった。
63: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:55:36.47 ID:Qezuh/qr0
ワイワイ ガヤガヤ
「東京モンがナンボのもんか! 奴ら、天狗様の座敷に届けもせん!」
64: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:56:07.52 ID:Qezuh/qr0
「よし、近付いてきてるぞ! このまま全速力だ!!」
「おまかせあれ〜! ブリッツェン〜っ!!」
「ブモッ!!」
65: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:56:37.47 ID:Qezuh/qr0
「ふっ……ふふふっ……ふぁーははははは!! 引っかかりよったな人間が!!」
「あぁ?」
「俺らがなしてずっと空ば飛んどったか、知らんかったと見えるのう!!」
66: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:57:05.73 ID:Qezuh/qr0
「ほれ! ここからでも会場は見えるやろが! 今まさに、うちの連中が目的ば遂げとるに違いなか!!」
と地上を指差す。
黄昏の中、ぽつぽつ灯りが点きつつある熊本の街並み。その一部にある、大きなLIVE会場。
67: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:57:43.95 ID:Qezuh/qr0
―― 数十分前 地上/熊本市街
「しっかしまさか狸と事を構えることになるなんてねぇ」
68: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:58:32.83 ID:Qezuh/qr0
「あれ、言わなかった? あたし原チャ運転できるんよ。実家で配達に使ってたりして」
「ほあぁ、初耳どす〜」
「東京じゃ乗んなかったからね。ていうか父さんから『お前は二度と運転すんな』って言い付けられてたし」
「は? それ、どないな意味――」
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