61: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:54:10.43 ID:Qezuh/qr0
「――それにしても楓さん、すみません。イヴもごめんな。こんな急に、熊本まで……」
「いいんですよぉ。私達の本業はもうちょっと先のことですから! ねっ、ブリッツェン〜!」
「ブモッ!」
「蘇りし世紀末歌姫よ……。そなたと再び相まみえしこと、この悪姫ブリュンヒルデは、その……」
「ふふ……いいのよ蘭子ちゃん、そんなにかしこまらないで」ナデナデ
「ひゃふっ。う、うぅ〜〜〜///」
「あの……天狗様とお話したんですか? 本当に大丈夫だったんですか?」
「大丈夫よ、美穂ちゃん。本当にちょっと飲み比べをしただけなんです。天狗様ったら飲みすぎて、ぐてーんっとなってしまって……ふふふ」
楓さんは、どうやら天狗からふんだくってきたらしい米焼酎の瓶をまだ抱えていた。
それをストレートでグラスに注ぎながら、ほんのり赤い顔で微笑む。
「所詮は狸同士の小競り合い、玩具を与えて高みの見物こそ楽しけれ……と、あの方は仰っていましたけど。
みんなの晴れ舞台が台無しにされるのをよしとするほど、私も枯れていませんもの」
「楓さん……。本当に、ありがとうござ」
「はい、ということで駆け付け一杯どうぞー♪」トクトクトクトクトクトクトクトク
「ウワーッなみなみ注がれた!! いや駄目ですってこんな時に!!」
「あら、寂しいわ。私がこわ〜い天狗様と飲み交わしていたのに、プロデューサーは禁酒ですか?」
「そっそれを言われると弱い……。では、いただきます……!」
ぐびぐびぐびぐびぐび…………。
…………ってこれ、割ってもないし氷すらねーじゃねーか!!
「米の焼酎もいいものですねぇ。これでは私、しょっちゅう飲んでしまいそう……うふふっ♪」
頭がくらくらする……。
瓶を抱えてゆーらゆーら揺れながら、楓さんは心底楽しそうに笑った。
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