67: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:57:43.95 ID:Qezuh/qr0
―― 数十分前 地上/熊本市街
「しっかしまさか狸と事を構えることになるなんてねぇ」
「京住まいの頃には、想像だにもせえへんかった……どすか?」
「まさしく。ま、人に色々あるように、狸にも色々あるってことなんだろーけど」
あたしと紗枝ちゃんは所定の位置について、こっちはこっちで出発の準備を進めている。
地上でこんくらい寒いんだから、空はえらいことになってるんだろうなぁ。
それを考えると、地上組はある意味役得だったかもしんない。
……楽な仕事じゃないんだけどね、どっちみち。
「てことで、はいこれヘルメット」
「はぁ、それはええどすけど……」
使い古された借りもののジェッペルを受け取って、紗枝ちゃんは微妙な顔をした。
ヘルメットと、あたしと、路上のそれを何度も見比べて。
「周子はん、こないなもんほんまに乗りこなせますのん?」
目の前に鎮座ましますのは、菜帆ちゃんの伝手で用意して貰っていた大切な移動手段。
頭が高い、控えおろう。
一見ボロいこの原チャリこそ、ホンダの傑作中の傑作。
その名も、スーパーカブ様である。
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