27: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:16:16.15 ID:TXSil8FD0
行くあてもなく街を歩いてゆく。
いや、詩的な表現はやめにしよう。
ボクは逃げ出したんだ。現実から。
28: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:17:39.32 ID:TXSil8FD0
二宮飛鳥の部屋に戻ると、もう中に誰もいなくなっていた。
手遅れだったか?
いや、まだだ、まだフレデリカの部屋の可能性が!
29: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:18:36.00 ID:TXSil8FD0
【昼、346プロレッスン場】
フレデリカ(飛鳥)「二宮飛鳥を見ませんでしたか!?」
30: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:20:10.22 ID:TXSil8FD0
街を行き、ショッピングモールを走り、カフェも覗き、他の心当たりのある場所全てを探した。
が、フレデリカを見つけ出すことは叶わなかった。
陽は落ち始め、夜が近い。
31: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:20:54.08 ID:TXSil8FD0
街頭に明かりが灯り始めた。
気がつくと見憶えのある道に辿り着いていた。どうやら寮の近くまで戻って来てしまったみたいだ。
けど、ボクはまだフレデリカを諦めてはいない。
32: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:22:14.89 ID:TXSil8FD0
夜は更けてゆく。
もうあの彼女にフレデリカと呼べる部分はなくなっていた。
33: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:22:54.75 ID:TXSil8FD0
……何故、なんだ。
あぁ、世の中はわからないことだらけだ。もうボクには理解らないよ。
こんなセカイは──……
34: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:23:49.92 ID:TXSil8FD0
移ろいゆく人々が、燦然と煌めくネオンライトが流れてゆく。
こんな灯りは不釣り合いだ。ボクはまた逃げ出してしまったんだ。
35: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:24:39.41 ID:TXSil8FD0
全て、ボクのせいなんだ。
ボクがフレデリカに甘えていたから。
ボクがボクがフレデリカの気持ちに気がつくのが遅かったから。
36: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:32:10.11 ID:TXSil8FD0
…………。
おひさまがまぶしい。
37: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:33:22.93 ID:TXSil8FD0
『朝起きるとそこは道路だった!』
なーんて、笑い話にでもしないとちょっと処理しきれないよね。こんど事務所のみんなにはなそっと。覚えてたらね。
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