27: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:16:16.15 ID:TXSil8FD0
行くあてもなく街を歩いてゆく。
いや、詩的な表現はやめにしよう。
ボクは逃げ出したんだ。現実から。
フレデリカはもうボクの知るフレデリカではなくなっていた。
周りの人間を照らせるほどの明るさは失われ、自らを卑下するようになっている。
きっと彼女にはボクのネガティブで皮肉っぽい思想が雪崩れ込んでいるのだろう。
それでもフレデリカは笑顔でいてくれた。仮初めだったとしても、彼女に残った最後のココロで。
だからこそ、それをみているのは苦しくて、悲しくて、寂しくて、ココロが痛くなった。
フレデリカに笑顔でいるように頼んだのはボクなのにな。
彼女の精一杯のメッセージに対してボクはどう応えた?
見たくなかったところを見てしまったからって耐えきれなくなり、逃げ出しただけ。
ハハハッ……とんだエゴイストだね。最低だな、ボクは。
……そんなことを言ってる場合じゃない。まだ機会は残っている。ちゃんと会って謝るんだ、手遅れになる前に……!
進行方向を逆転させ、再びボクらが住む寮の方へと走り出す。
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