勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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7: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/02(土) 21:01:19.18 ID:vAzM7c8Y0
魔女に分厚い原稿を手渡した。官能小説の推敲を教師に任せるなど、世界のどこへ行っても耳にしない話だろう。
学校へ行く途中に自分もサッと目を通してみたが、当たり障りのないただの官能小説だった。
現在の国家体制を痛烈に風刺したと本人は息巻いていたが、言われなければ分からない。筆力が足りないのか、逆にそれとなく見せるほどの技巧なのか。

魔女「ふむふむ、なるほどね。やっぱりそうだ。ボクと妹さんの考えは完全に一致してる。怖いくらいに」
以下略 AAS



8: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/02(土) 21:34:09.73 ID:vAzM7c8Y0
国に叛旗を翻す。勝手にやってくれとしか言いようがなかった。
魔女との約束。叛乱の計画に加わってほしい、という意味だったのかもしれない。
自分は争いを好まないし、妹を養っていかねばならない。

兄「そうだ、サンドイッチを買っていかないとな」
以下略 AAS



9: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/02(土) 22:09:27.48 ID:vAzM7c8Y0
下級将校「さて、お嬢さん。こっちに来てもらおうかな」

妹「いや! お兄ちゃん、助けて……!」

将校は妹を無理やり引き立たせると、鎖を強く引っ張った。
以下略 AAS



10: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/02(土) 23:04:26.17 ID:vAzM7c8Y0
研究室の扉を蹴破った。普通に開ければ良かったのだが、興奮と焦りのあまり足が出てしまったのだ。
魔女は鏡に向かって、くせ毛を整えている最中だった。

魔女「肚が決まったみたいだね。曇りのない、晴れ渡った空のような目をしている」

以下略 AAS



11: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/03(日) 23:22:06.08 ID:Dt2XuTWJ0
鏡を覗き込んでみると、瞳の中に蒼白く光る五芒星があった。

魔女「それは勇者であることを示すペンタグラム。神様がキミを勇者として認めてくださった証だよ」

勇者「勇者になると、何かいいことがあったりするのか?」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage]
2017/12/07(木) 22:31:08.84 ID:5XxIlBc30
期待
以前、別トリップでやってた?


13: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/11(月) 01:34:13.77 ID:ivHOYJAr0
バルフの郊外、竹林を進んだ先にその屋敷はあった。
敷地の四方を高い柴垣と塀で二重に囲み、玄関口の門構えはアルマリクの立派な城門にも引けを取らない。
屋敷の西側にはモザイク様式の土蔵が立ち並ぶ。
中には米や麦を始め、東西南北全ての地域から入手した食糧が蓄えられているのだ。
もちろん、賄賂として皇帝や高級役人に献上するための貴重品もあった。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2017/12/11(月) 09:04:25.56 ID:Ivh/A9Kfo
これは期待


15: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/12(火) 13:32:00.79 ID:MgU8F78y0
かつて先代勇者と共に世界を駆けた魔女。よく資金援助をしてやったものだが、魔王討伐という役目を終えた今、自分に何の用があるのか。客間に入ると、二人の少年少女を伴った魔女が、椅子に腰掛けていた。

魔女「久しぶりだね、大富豪」

大富豪「数年ぶりか。相変わらず美しいな。人間か妖精か、見ただけでは分からん」
以下略 AAS



16: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/14(木) 10:16:54.85 ID:F+cKSKnpO
面白い。大富豪が最初に思ったのはそれだった。十歳に満たない少女にしては、やけに洗練された文を使う。涙を誘う場面や心打たれる場面もなくはない。しかし、全編を通して何やら引っかかるものがあった。

大富豪「……なるほどな。核心を突いている。そこは認めよう。ただ少し気になる点がある」

大富豪「なぜ官能小説をベースにしたのだ? 誰に向けて書いた?」
以下略 AAS



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