238: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/07/31(火) 17:32:47.70 ID:fNHxSn0F0
なだらかな丘陵の頂に上った。
戦士「あれが盾士の陣か」
眼下に広がる巨大な正方形の影。否、影ではない。
239:名無しNIPPER[sage]
2018/08/01(水) 00:25:19.12 ID:UZW9tGWDO
来てたか乙
240: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/01(水) 23:13:34.13 ID:VLtlB4jN0
戦士「ガハハハハ! そこじゃあッ!」
戦士の斧が血を求めて低く唸る。吹き飛ばされた盾が宙を舞った。
波が引くように、周囲の盾兵が道を開ける。勢いを殺さず、陣の内側へ突撃した。
241: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:21:22.07 ID:pZhPrSd+0
戦士「これから吾輩は、酷な命令を下す」
戦士「普段から長駆の訓練は積んでいるが、今日はそれ以上に過酷だ。もし辞退を願う者がいれば、今はっきり申しつけよ」
誰も挙手しない。
242: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:23:48.53 ID:pZhPrSd+0
戦士「そろそろ、頃合いだろう。戦士隊の底力、今こそ見せる時ぞ」
戦士は兵が密集していない場所から、陣の内側へと潜り込んだ。
方陣は半分以下まで小さくなっている。懸命にまとまろうとするも、そこは戦士隊が許さなかった。
即座に割り込み、盾隊を分断する。
243: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:29:09.78 ID:pZhPrSd+0
戦士と盾士の部隊は合流した後、近くの岩山に拠った。
兵士達が各々の時間を楽しむ中、戦士は一人、頂上で火を焚いていた。
群青の闇に沈むサマルカンドがよく見える。
紺碧の街・サマルカンド。数千人のエルフが住む街だ。
244: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:31:18.39 ID:pZhPrSd+0
盾士「ご苦労だった、戦士」
戦士「叔父上」
隻眼の老将が戦士の隣に腰を下ろした。
245:名無しNIPPER[sage]
2018/08/12(日) 01:30:44.52 ID:3vsqBSqDO
乙
246: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:21:40.72 ID:yYJTY5ji0
魔剣士「剣士様が消えた、ですって!?」
王都アルマリクから北西に数里。
タシケントとサマルカンドの間にある小都市ジザフの朝は、令嬢剣士の叫び声で幕を開けた。
247: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:42:02.28 ID:yYJTY5ji0
ドタールの柔らかな音色が聞こえた。
ジザフで唯一の妓館。
給料が良いので、ここに勤める十代の女性は少なくない。
魔剣士「所詮は妓館。負の印象が拭えませんわ」
248: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:54:09.34 ID:yYJTY5ji0
剣士「え、どうして!? どうして殴るの!」
魔剣士「わたくしがどれだけ心配したと……兵士の皆様にも迷惑かけて、許せませんわ!」
馬乗りになって、兵士の頭をポカポカ殴り続ける魔剣士。
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