勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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246: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:21:40.72 ID:yYJTY5ji0
魔剣士「剣士様が消えた、ですって!?」

王都アルマリクから北西に数里。
タシケントとサマルカンドの間にある小都市ジザフの朝は、令嬢剣士の叫び声で幕を開けた。

将校D「ええ。魔剣士様なら、将軍の居場所に心当たりがあるのではないかと存じまして」

朝一番に乗馬の訓練があった。
木馬を馬に見立て、走りながら飛び乗る。
訓練自体は上級将校が行い、結果をまとめて将軍に報告する。

その将軍が軍営から煙のように消えてしまったのだ。
これでは将校の報告する相手がいない。
どうしようもないので、剣士の副将である魔剣士に相談しに来た次第であった。

魔剣士「あなた達、乗馬の訓練に戻りなさい。非常事態であっても、冷静に監督すること。心の乱れは、弱さを生みますわ」

魔剣士は寝間着を脱ぐと、緋色の髪をしっかりまとめ、いそいそと戦袍に着替え始めた。
将校達の前でもお構いなしである。
というより、焦って周りが見えていないのだろう。

将校D「承知致しました。ところで魔剣士様」

魔剣士「まだいらっしゃるの? わたくしの話、聞いておりまして?」

将校D「魔剣士様。着替える際は、我々が全員退出の後にしていただくと大変嬉しいのですが」

魔剣士「……そうね。今のは見なかったことにしなさい」



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