243: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:29:09.78 ID:pZhPrSd+0
戦士と盾士の部隊は合流した後、近くの岩山に拠った。
兵士達が各々の時間を楽しむ中、戦士は一人、頂上で火を焚いていた。
群青の闇に沈むサマルカンドがよく見える。
紺碧の街・サマルカンド。数千人のエルフが住む街だ。
建物のほとんどにラピズラズリが用いられているので、夜空の街とも呼ばれる。
かつて自分が守った場所を眺めながら喰う肉は美味いものだ。
戦士「精霊王は息災だろうか」
エルフ族とは幼い頃からの付き合いである。
叔父に連れられ、精霊王に謁見した。
何も考えず彼の耳を引っ張ったところから、精霊王との友情は続いている。
奇妙な縁だと自分でも思う。
戦士『エルフ族の助力あってこそ、魔王を討ち果たすことができた。礼を言う』
精霊王『なんの、感謝すべきは私の方だ。君は魔王軍の攻撃から街を救ってくれた』
精霊王『いつでも遊びに来い、我が永遠の友よ』
魔王討伐以降、久しく顔を合わせていない。
もし会う機会ができたなら、その時は上質な香木を持って行ってやろう。
エルフは人一倍、容姿に気を遣う種族だ。
助けられた以上、こちらも何か形で返さねばならない。
それが、盟友同士の礼儀というものだろう。
256Res/223.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20