勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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216: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/02(土) 20:13:06.39 ID:rjs6CqC/0
女盗賊「オラ、さっさと吐きな! あんたらが隠してる財宝、どこにあるんだい!」

逆さまに吊り下げられた、十数人の男女。集落の人間だ。
彼らの間を、褐色の肌の女性が鞭を片手に、行ったり来たり繰り返している。
尖った鼻に、澄んだ空色の瞳。南方系の人間か。
以下略 AAS



217: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/03(日) 15:05:34.32 ID:IMIN4WEW0
サウナ。
中央に焼けた岩が置いてある。
その奥には勇者と魔女が見つけた変死体。

盗賊「この死体、両手のひらに火傷の痕があるな」
以下略 AAS



218: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/03(日) 15:19:29.58 ID:IMIN4WEW0
地下は暗く、ひんやりと肌寒かった。盗賊が松明に火を点ける。
岩を荒く削った通路が、細長く伸びているようだ。
幅は2人が肩を寄せ合ってやっと収まる程度である。

盗賊「まさか、と思った。そんな地獄絵図がこの世に存在するのか。何かの間違いではないのか。夢を見ているのではないか」
以下略 AAS



219: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/03(日) 15:22:27.35 ID:IMIN4WEW0
勇者の脳裏に、夕方目にした光景が蘇った。
宿屋の主人が必死に頭を下げていた相手。
あれは高級官員などではなく、非合法の商いを取り扱う闇商人だったのだ。
渡していたのも、おそらく麻薬だろう。

以下略 AAS



220:名無しNIPPER[sage]
2018/06/06(水) 03:49:22.06 ID:bKe36NXDO



221: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/06(水) 16:44:00.31 ID:YxEXL6rxO
盗賊「大当たりだ、魔女さんよ。俺達ハザラ族は、力のある騎馬民族でも交渉技術に長けた商業民族でもなかった」

盗賊「周囲の外敵に怯えながら小さな畑を耕す、泥臭い農耕民族だったんだ」

盗賊「金もねェ、人もねェ、住む場所もねェ。それでも、なんとか貧しいなりにやりくりできていた。瀬戸際の所でな」
以下略 AAS



222: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/06(水) 16:49:29.71 ID:YxEXL6rxO
ハザラ族は闇商人の話を巡って、盗賊派と宿屋の主人派に分裂した。ハザラの魂を守り、鉄門街道で生きてゆく者。ハザラの魂を売り、闇商人についてゆく者。

半数の同胞が盗賊の下を離れた。妻も息子を連れ、出て行ってしまった。盗賊に残されたのは百名ほどの仲間と高潔なハザラの魂のみ。

盗賊「だが、気持ちだけでは仲間を養うことはできない」
以下略 AAS



223:名無しNIPPER[sage]
2018/06/07(木) 01:47:07.16 ID:DVCYn8HDO



224: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/09(土) 00:02:54.58 ID:k+x3Sqx80
盗賊「こいつはもっと南方から流れてきたんで、ハザラ族の事情をまったく知らない。盗賊としての俺を追っかけてきただけなんだ」

女盗賊「お頭、どうしてあたしに教えてくれなかったんですか」

盗賊「余所から来たテメェに、いらぬ心配かけると思ったからだ」
以下略 AAS



225: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/09(土) 00:06:44.53 ID:k+x3Sqx80
盗賊「生きていくためだ」

魔女「そうは言っても、王国軍が正規の討伐軍を出してみな。キミ達は枯れ葉のように吹き飛ばされ、踏みにじられ、ハザラ族丸ごと滅ぼされてしまうよ」

魔女「地方貴族や下級官吏の財産なんて知れたものさ。ボク達は、そんなものとは比べ物にならないほど大きな標的を狙ってる」
以下略 AAS



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