225: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/09(土) 00:06:44.53 ID:k+x3Sqx80
盗賊「生きていくためだ」
魔女「そうは言っても、王国軍が正規の討伐軍を出してみな。キミ達は枯れ葉のように吹き飛ばされ、踏みにじられ、ハザラ族丸ごと滅ぼされてしまうよ」
魔女「地方貴族や下級官吏の財産なんて知れたものさ。ボク達は、そんなものとは比べ物にならないほど大きな標的を狙ってる」
盗賊「大きな標的?」
魔女「この国を、盗ってみないか」
盗賊「国を盗る? ハッ、戯言を。テメェら二人で国が盗れたら、それこそ天地がひっくり返るだろうよ」
魔女「いいや、本気さ。もう既にバルフは勇者軍の手中だし、ボクらの後ろには大富豪がいる。北のサマルカンドも、タシケントも、押さえる準備はできている。そして、何より神様の御加護がある」
盗賊「そんなペラペラ喋っちまっていいのか」
魔女「キミは『こちら側』だ。だから話した」
盗賊「テメェが今話した内容を持って、国王のもとまで駆け込むかもしれないぜ」
魔女「そんなことをしても無駄だと、キミが一番分かっているだろう。国の官吏を殺した時点で、キミの道は定まった」
盗賊「ケッ……拒否権はなしか。このド阿呆が」
悪態を吐きながらも、盗賊の口元は微かに笑っていた。
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