218: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/03(日) 15:19:29.58 ID:IMIN4WEW0
地下は暗く、ひんやりと肌寒かった。盗賊が松明に火を点ける。
岩を荒く削った通路が、細長く伸びているようだ。
幅は2人が肩を寄せ合ってやっと収まる程度である。
盗賊「まさか、と思った。そんな地獄絵図がこの世に存在するのか。何かの間違いではないのか。夢を見ているのではないか」
盗賊「色々なことを考えた。だが、結局すべて現実に過ぎないのだと、最近になってようやく受け入れることができた」
盗賊「俺は絶対にあの男を許さん。たとえ偉い大僧正が許そうと、国王が許そうと、神が許そうと、俺だけは許さない」
通路を抜けると、開けた空間に入った。
ガサガサ、闇の中で蠢く者がいる。
鼻が曲がりそうな悪臭も漂ってくる。
勇者「ウッ! 臭い! 動物園みたいな……」
女盗賊「お頭、本当に財宝なんてあるんですかい? あたしゃ不安になってきましたよ」
盗賊「魔女、光魔法で部屋を照らしてみろ。やらなければ殺す」
魔女「えぇ〜マナを多く使うのに〜。ぶつぶつぶつ〜」
空間に眩しいほどの光が満ちた。広大な畑だった。
骨と皮だけになった人間が、畑に植えてある植物を摘んでは壺に入れ運んでいる。
女盗賊「お頭、まさか裏切者が隠している財宝って」
盗賊「そうだ。地下に広がる、この畑のことさ。裏切者は畑でガンジャを栽培し、乾燥させ、商品として闇商人に献上していたのさ」
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