勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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222: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/06/06(水) 16:49:29.71 ID:YxEXL6rxO
ハザラ族は闇商人の話を巡って、盗賊派と宿屋の主人派に分裂した。ハザラの魂を守り、鉄門街道で生きてゆく者。ハザラの魂を売り、闇商人についてゆく者。

半数の同胞が盗賊の下を離れた。妻も息子を連れ、出て行ってしまった。盗賊に残されたのは百名ほどの仲間と高潔なハザラの魂のみ。

盗賊「だが、気持ちだけでは仲間を養うことはできない」

盗賊「俺は初めて盗みをやった。バルフに住む地主の屋敷に忍び込んで、宝石をかっぱらったのさ。それを闇の仲介人に渡し、膨大な値段で宝石商へ売りつけた」

盗賊「盗みも殺しも人道に反していることは分かってる。けど、生きるためには、生かすためには盗みに手を出すしかなかった」

民に重労働を課し、自らは甘い汁を啜る。
貴族こそ絶対的な悪であり、外道が溜め込んだ財宝を貧しき者へ分配せねばならない。強引な理由をつけて、窃盗や殺人を正当化するようになった。

鉄門街道を通る金持ちは全員殺した。妻や子供に至るまで見境なく殺した。悪魔を殺せば、その分だけハザラの魂が浄化される。天国へ近づける、気がする。
高潔な魂は、歪み切った卑劣な盗人根性へ変わっていたのだ。


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