6: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:02:32.41 ID:crkVqtSl0
瞳子「私が思うに、初恋ってきっとロジックじゃないのよ。もっと淡く刹那く、甘酸っぱい青春の幻想。例えば下駄箱への差出人の無いラヴレターとか、約束もなくひたすらに待ち続ける帰り道とか」
留美「どうしてこういう話になると瞳子さんはすぐに失恋の方向へ持っていくのかしら?」
瞳子「初恋は実らないものよ、そうして人は自分を知るんだから。留美さんも経験有るでしょう?」
7: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:04:46.90 ID:crkVqtSl0
◇
親の都合で引っ越しの多かった私は、内向的な性格も相まって友達と呼べる人が多くありませんでした。
それが異性になると殊更で、クラスメイトの中でさえ、言葉を交わしたことのある男の子はほとんどいませんでした。
8: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:06:20.90 ID:crkVqtSl0
留美「それで、件の彼の名前は?」
美優「それが……その……すみません」
留美「覚えてないの? 初恋の相手なのに?」
9: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:23:09.04 ID:crkVqtSl0
◇ 数週間後 三船美優宅 ◇
留美「写真、有ったんでしょ?」
10: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:24:23.72 ID:crkVqtSl0
留美「この子は多少雰囲気あるけど、どう考えても違うわよね」
美優「……はい。本当に単なる偶然だと思います」
瞳子「……じゃあ、この中の誰が同姓同名くんなのかしらね」
11: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:26:32.42 ID:crkVqtSl0
◇ 数日後 居酒屋“雷電” ◇
P「こうして四人で呑むのも久しぶりですね」
12: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:29:12.37 ID:crkVqtSl0
P「……間違いありません。これは俺が出した物です」
留美「ほら!」
瞳子「凄い偶然、いえ、ここまでくると運命というべきかしら?」
13: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:29:53.81 ID:crkVqtSl0
◇
美優さんに関して、俺が1番最初に覚えてる記憶は、花壇です。
当時、俺は緑化委員だったんです。ミミズが触れるとかって理由で選ばれた記憶があります。
14: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:31:13.02 ID:crkVqtSl0
美優「前に書店へ行ったという話をしたじゃないですか」
留美「ええ、あの山田くん? と偶然会ったっていう」
P「……もしかして、三船さんの飼い犬が失踪したりした日のことですか?」
15: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:31:39.58 ID:crkVqtSl0
ゴユックリドウゾー
留美「それじゃ、Pくん話を」
P「分かりました」
16: ◆TZ9gOMQ.mU[saga]
2017/11/29(水) 04:33:26.25 ID:crkVqtSl0
P「あー、そうか、こっちを送ったんだっけか」
留美「こっち? 写ってる写真があるの?」
P「セルフタイマーを使って撮ったのが、一応あります」
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