13: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:48:38.44 ID:c9/bqZoV0
ぼく(ぼくは館を出て、少し歩いたところにある河原に立っていた)
ぼく(ごうごうと大きな音と共に舞い上がる水しぶきがぼくの頬を叩く。目の前には滝つぼがあった。ぼくの住む館は山の頂に近いところにある。少し歩けば、こうやって山肌を滑り落ちる滝があるのだ)
ぼく(女戦士さんはここにはいない。彼女はというと……)
14: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:49:08.49 ID:c9/bqZoV0
女戦士「どうだった?」
ぼく「ええ、まあ……すごかったです」
女戦士「気づいたら治ってるから、自分じゃよくわかんないんだよね。想像するに、けっこうえぐいシーンだったと思うけど」
15: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:49:43.97 ID:c9/bqZoV0
ぼく「それじゃ、この薬を飲んでください」
ぼく(研究室に戻ったぼくは、ある薬瓶を女戦士さんに差し出す。中身は強力な睡眠薬だ。飲んだ人間はたちまちのうちに昏倒する。そして、しばらくは何をされても起きない)
ぼく(それは例えば、腹を切り裂かれて臓物を抜かれたとしても……)
16: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:50:14.33 ID:c9/bqZoV0
女戦士「うーむ、研究室での実験を終えてから、あいつ、難しい顔をして変な部屋に引っ込んでしまったな」
女戦士「しばらく自由にしていてくださいと言われたけど、どうしようか。特に何もやりたいことなんてないぞ」
女戦士「一番やりたいことっていったら死ぬことだけど、死ねないしな」
17: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:50:44.56 ID:c9/bqZoV0
ぼく「おかえりなさい」
女戦士「ただいま。ほら、お土産だ」
ぼく「うわあすごい。魚がいっぱいだ。今夜は御馳走ですね」
18: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:51:13.84 ID:c9/bqZoV0
ぼく「見てもらいたいものというのは、これです」
女戦士「植木鉢に土……それと、木の苗、か? これは」
ぼく「そうです。これはぼくの家系に代々受け継がれてきたもので、名を『邪木の苗』といいます。ぼくの私室で大切に保管していました」
19: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:51:52.49 ID:c9/bqZoV0
ぼく(こうして、ぼくは家の中にある古い文献を片っ端から読み漁った。しかし古代の言語は解読が難しく、これでは読み解くまでに何年かかるかと思っていたが、嬉しい誤算があった)
ぼく(特に欲しかった、魔王に関する記述がある文献を女戦士さんが読むことが出来たのだ。どうやら、彼女が生まれた時代の言語とそう変わらない文字であったらしい)
ぼく(また、これにより家に伝わる『邪木の苗』に更なる信憑性が生まれ、モチベーションも高まった。しばらく、ぼくと女戦士さん、二人で黙々と本を読む日々が続いた)
20: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:52:31.97 ID:c9/bqZoV0
ぼく(ある日のことだった。ぼくは食糧を求めて河原を散策していた)
ぼく(ぼくはそこで、見覚えのある耳飾りが河原に落ちているのを見つけた)
ぼく(どくん、と心臓が跳ねた)
21: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:53:17.62 ID:c9/bqZoV0
ぼく(遂に決行の時がやってきた)
ぼく(ぼくと女戦士さんは家を出て、古い文献に記されていた場所にやってきていた)
ぼく(白く大きな岩。周囲の風景は文献に記されていたものを少々違いはあったものの、ここが『聖地』ということで間違いなさそうだった)
22: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:53:48.44 ID:c9/bqZoV0
23: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:54:19.33 ID:c9/bqZoV0
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