21: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:53:17.62 ID:c9/bqZoV0
ぼく(遂に決行の時がやってきた)
ぼく(ぼくと女戦士さんは家を出て、古い文献に記されていた場所にやってきていた)
ぼく(白く大きな岩。周囲の風景は文献に記されていたものを少々違いはあったものの、ここが『聖地』ということで間違いなさそうだった)
ぼく「では、女戦士さん」
女戦士「うん」
ぼく(女戦士さんに穴を掘ってもらい、邪木の苗を植える。とある植物の根を粉末状にして羊の血と混ぜ合わせた物を使って、文献に記されていた通りの魔方陣を描く)
ぼく(そして、歌を歌う。文献によると、これは精霊を讃える聖なる歌なのだそうだ。精霊とはこの世界に遍く存在する超常のもの。魔王の力の源は、この精霊であったらしい)
ぼく(女戦士さんの生まれた時代では精霊の存在は当たり前のものだったらしいが、この現代において精霊の話なんて見たことも聞いたこともない)
ぼく(しかし精霊はこの世から消え去ったわけではなく、ただ眠りについているだけで、それを起こし、活性化させるのがこの魔方陣と聖歌なのだそうだ)
ぼく(……魔王の力を復活させるのに聖地とか聖歌とか笑ってしまう。この文献の筆者は魔王を信仰でもしていたのだろうか)
ぼく(そのうちに、変化が生じた。邪木の苗を中心に光が生まれ、それが魔方陣を循環してぼくの体に流れ込んでくる)
ぼく(体の中心に熱を感じた。熱い。じわりと全身から汗が噴き出してくる)
ぼく(しかし不快では無かった。むしろ快感ですらあった。高揚感で心が沸き立つ。弱い自分が消え去っていく)
ぼく(何か得体のしれない超常の力がぼくの体に宿っていた。不思議だけれど、確信がある。その力の扱い方も、知識として頭の中に流れ込んできていた)
ぼく(ぼくは、右手を天に向かって掲げた)
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