女戦士「死に場所を探している」ぼく「はあ…」
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16: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:50:14.33 ID:c9/bqZoV0
女戦士「うーむ、研究室での実験を終えてから、あいつ、難しい顔をして変な部屋に引っ込んでしまったな」

女戦士「しばらく自由にしていてくださいと言われたけど、どうしようか。特に何もやりたいことなんてないぞ」

女戦士「一番やりたいことっていったら死ぬことだけど、死ねないしな」

女戦士「よし、さっき行った川で魚とりでもしよう。居候しておいて何も働かないただ飯食いと思われても嫌だしな。まあ、私飯食わないんだけどネ」

女戦士「あ、しまった。水着も持たずに川まで来てしまった。館に戻れば、あいつの姉の水着なんかもあるだろうけど、戻るのは面倒だな。あいつも部屋から出てくるかわからんし」

女戦士「しょうがない。はしたないが全裸でやろう。なに、こんな山奥にやってくる人間もいないだろうさ」


 ――――――――……………………


女戦士「ぷはぁ〜。大量大量。これで六匹目ときたもんだ」

女戦士「うぅ〜、濡れた体に風が当たると流石に冷えるな。氷ばっかりある土地で凍死しまくったのを思い出す……」

女戦士(植物のつるを使って即席でこしらえた籠に手掴みした魚を放り込んでいると、がさがさと後ろの茂みを揺らす音がした)

女戦士(あいつが様子を見に来たのかと思い、無警戒に振り返ると、そこには見覚えのない男が立っていた)

男「おお、魔女の館に行く途中で喉を潤しに川に寄ってみれば、何とも美しいお嬢さんがいるではないか。傷跡が多くあるが、それを差し引いても素晴らしい肉体だ」

女戦士(独特の耳飾りが特徴的な男だった。私は男に対して、妙に生理的嫌悪感を覚えた。無遠慮に私の体を舐め回す視線がおぞましい)

女戦士「何だ貴様は。上にある館に何の用事だ」

男「なに、くだらぬ用事さ。人に話すようなことではない」

女戦士「お前の言う魔女はもういないぞ。だいぶ前に亡くなったらしい」

男「……なに? そうか、町の連中の噂は本当だったか。実に、実に勿体ないことをした」

女戦士(遠い目をして館の方角を見遣る男。何を思い返しているのか、その顔に一瞬下卑た笑みが浮かんだのを私は見逃さなかった)

男「あの時、魔女の傍らにはもう一人幼い子供がいた。今回はその成長を見届けるも一興か」

女戦士(男が背を向けた。私は岩に立てかけていた剣を手に取る)

護衛「旦那様、随分と時間がかかっておりますが、何かございましたか?」

女戦士(もう一人、剣を持った男が茂みから現れ、私を見て固まった。迂闊だった。連れがいたとは。剣より先に服を取るべきだった)

護衛「女、貴様、何を…」

女戦士(有無を言わさず私は剣を持った男に斬りつけた。男は咄嗟に剣を構えたが、遅い。かつて魔王を討伐した私からすれば、あくびが出るほど遅い剣速だ)

男「な…?」

女戦士(耳飾りが特徴的な男は突然斬り捨てられた護衛を見て固まっている。私が剣を振り上げるとわたわたと慌てふためき始めた)

男「なぁ、なに、なん、なんで…? もしや、復讐か? 魔女から復讐を頼まれた傭兵か? 貴様」

女戦士「違うよ。悪いが、これは非常に個人的な理由だ。お前たちは、私の裸を見てしまった」

男「………は?」

女戦士「私の裸を見ていい男は、たった一人だけなんだよ」



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