259: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/21(土) 08:43:13.47 ID:SE5eH/sS0
本物と遜色のない艶と手触りを持った高品質なウィッグ。
人の肌により近いと謳われる最新型のシリコンボディ。
胸は豊満、腰はくびれ、ヒップもすこぶる魅力的。
260: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/21(土) 08:44:12.53 ID:SE5eH/sS0
そしてその顔は、何を隠そう件の二階堂千鶴に酷似していた。
当然だろう。わざわざ彼女にそっくりな人形を選んだのだ。
いや、正確にはそうなるよう男がオーダーしたのだから。
261: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/21(土) 08:45:47.27 ID:SE5eH/sS0
「きっと、貴女の役に立てる男になりますから。相応しい男になりますから!
……だから、その、見捨てないでください。今は……まだ、頼りなくても……」
その時、男には人形の印象が変わったように感じられた。
262: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/21(土) 08:48:38.81 ID:SE5eH/sS0
一コマ…というか一幕おしまい。『互いに秘密を抱える二人の関係の行く末は、さて?』的な
263: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/22(日) 08:41:39.36 ID:YcDGP+Tn0
【あるセレブとプロデューサーの話・2】
===
いつ頃から、とハッキリ意識していたワケじゃない。
けれども最近のプロデューサーは、以前よりデキる人になったと千鶴には感じられるのだった。
264: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/22(日) 08:42:33.91 ID:YcDGP+Tn0
赤信号で車が止まる。千鶴はそっと視線だけを男へ向けてその顔色を窺った。
血色が良いとは言えない肌、心なしかこけたようにも見える頬、眼のふちには睡眠不足からできるくま。
265: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/22(日) 08:43:57.69 ID:YcDGP+Tn0
===
「それじゃあ千鶴さん、また明日」
「ええ、ごきげんよう。……また明日」
266: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/22(日) 08:45:25.80 ID:YcDGP+Tn0
狭い玄関で靴を脱ぎ、暗がりの中手探りで電気のスイッチを入れた。
そうして明かりに照らし出された室内はみすぼらしいとまでは言えないが、
それでも庶民的な雰囲気からは到底脱することもできず。
267: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/22(日) 08:46:30.07 ID:YcDGP+Tn0
そんな千鶴が一人暮らしを始めたのは彼女が大学に通い始めてから。
アイドルにスカウトされたのも大学における学園祭、そこで開かれたミスコンで優勝したのがきっかけだった。
今では学業と仕事の二足わらじ。家に帰れば服装もラフに、作り置きしていたおかずをチンすると、
268: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/22(日) 08:48:04.19 ID:YcDGP+Tn0
一幕おしまい。ところで、書いてる途中で千鶴さんが実家住まいっぽいことに気づいてしまったのは内緒
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